Date: Sun, 4 Jan 98 19:36:31  JST
From: SHUDOH Kazuyuki <shudoh at muraoka.info.waseda.ac.jp>
Subject: [JavaHouse:6481] Java-to-C translation (Re: Linux and java)
To: java-house at center.nitech.ac.jp (JavaHouse ML)
Message-Id: <199801041038.TAA04656@cafe.olu.info.waseda.ac.jp>

首藤です。
JavaHouse-Brewers に投げようかとも思いましたが、
フォローする文章と同じく JavaHouse にします。

山田@IMACY さん wrote:

山田> ところで、先日、Linux での Java 開発環境をどこまで加速できるかを
山田> 実験し、以下のものを試してみました。

山田>   toba-1.0b6     - 1.0.2 準拠の Java-to-C トランスレータ

C 言語への変換でしたら、Harissa がおすすめです。
  http://www.irisa.fr/compose/harissa/harissa.html
method inlining などで、メソッド呼び出しをかなり減らしてくれます。
ただ、公開されているのは SunOS4,5, Linux などのバイナリのみです。

こういった、Java VM や C へのトランスレータに関する情報を、風間さんが
  http://www.ingrid.org/java/vm/
にまとめていらっしゃいます。
高木さんが [JavaHouse-Brewers:10584] に書いた文章が元です。


C 言語、果てはプロセッサネイティブなコードへのトランスレータは
高速化に非常に有効です。
現在、どのトランスレータ (Harissa, Toba, j2c) も
JDK 1.0.2 対応で止まっています。
今後にも期待しているのですが、同時に、
1.1 以降に対応することはないのではないかと予測しています。

作成が大変なのは Java to C の変換部ではなくて (大変だけど…)、
JDK では native methods で実現されている部分の実装だと思います。

Java Platform API が日に日に肥大化しているとはいっても、
一旦 Java to C トランスレータさえ作ってしまえば、
クラスライブラリを C に変換すればそれで済みます。

けど、JDK で native methods で実現されている部分は、
独自に実装する必要があります。j2c も Toba も Harissa も、
JDK 1.0.2 が native methods で実現している部分に対応する
独自ライブラリを用意しています。
独自ライブラリが対応していない機能は、C に変換するプログラムでは使えません。
例えば、Toba では java.lang.Class#forName() を使えません。

1.0.2 から 1.1 になって、native methods で実現されている
部分も非常に大きくなりました。
/usr/local/jdk*/lib/ の下の方にある lib*.so を見て下さい。
このほとんどを、Harissa, Toba の開発グループが独自実装する必要があります。

JDK で native methods で実現されている部分を、Java to C 
トランスレータの開発グループが独自実装しなくてもよいために、
  ・JDK に含まれる native methods をそのまま使う
という方法を思いつきました。

しかし、JDK が含む native methods は JDK の JavaVM の構
造に依存しています。すべてをそのままトランスレータから利
用するのは難しいと思います。＃可能だろうか？

JDK が含む native methods がすべて JNI で書かれていれば 
JavaVM の構造には依存しないのではないか？とも思います。
Sun が、JDK 中の native methods について
  ・JavaVM の構造に深く依存するもの
    == トランスレータ開発者が独自実装する必要があるもの
  ・完全に JNI に準拠しているもの
    == トランスレータからも利用可能 (かもしれない)
の区別をしてくれると嬉しいです。

ただ、C への変換は、Sun の掲げる "Write Once Run Anywhere"
に反するので、C への変換について Sun の協力を望めるかはわかりません。


＃山田さん、＠早稲田でしたよね。

SHUDO Kazuyuki/首藤一幸   私をたばねないで あらせいとうの花のように
  shudoh at muraoka.info.waseda.ac.jp